ひらがなが書けない子へ|特別支援学校の教員が試した6つのステップと練習のコツ

ひらがなが書けない子へ 6つのステップ
まま
ひらがなが、なかなか書けるようにならない
自分の名前を、書けるようになりたい

年長や小学1年生の時期に、ひらがなの練習でつまずく子は多くいます。

特別支援学校の教員として関わった、ひらがなが書けなかった子は、自分の名前を書けるようになりました。その時に取り組んだのが、6つのステップに分けて、少しずつ進める方法です。

ぽこまる先生が、ひらがなの「あ」の文字カードを持っている
この記事を読むと、わかること
  • ひらがなが書けない子の、練習の進め方(6つのステップ)
  • 家庭でできる、教具・援助・声かけ
  • タブレットで学習する良さ

6つのステップは、次のとおりです。

  1. 大きな字を指でなぞる
  2. 大きな字を鉛筆でなぞる(徐々に小さく)
  3. 白抜きの文字に、始点と終点の印をつけてなぞる
  4. 枠をなくして、始点と終点だけで書く
  5. 手本を見て書く
  6. 手本なしで、絵つきの言葉を書く

手先の不器用さが強い子には、パーツを置いて文字を作る「構成法」もご紹介します。

ぽこ先
まずは、できそうなところから読んでみてください。
目次

ひらがなが書けない子の困り感

まま
自分の名前を、書けるようになってほしい
何からしたらよいか、分からない

そんな願いを持つ保護者の方がいます。まずは、何が得意で、何が苦手かを考えることから始めています。

ぽこ先
子どもによって、得意なことと苦手なことは違うんだよ。

できていること

  • 文字カードから、「こくご」などの特定の言葉を選ぶことができる
  • ことばの形は、なんとなく分かっている
  • 線を書くことができる

困っていること

  • 止めたい場所(線の終わりや枠の端)で、ペンが止まらず、はみ出してしまう
  • ペンを、正しく持つことができない
  • ひらがなを、書くことは難しい

ひらがなの練習を、6つのステップで

ぽこ先
実際に、こんなふうに6つのステップに分けて進めてみることにしました。
6つのステップの階段の図。1 大きな字を指でなぞる、2 大きな字を鉛筆でなぞる、3 白抜きの文字に始点と終点の印をつけてなぞる、4 枠をなくして始点と終点だけで書く、5 手本を見て書く、6 手本なしで絵つきの言葉を書く

ステップ1 大きな字を指でなぞる

子どもが指でひらがなの「あ」をなぞり、ぽこまる先生が見守っている。右は手本の大きな「あ」

大きなひらがなを、指でなぞります。

ポイント

一人で書けない場合は、手を添えて、一緒になぞります。

ステップ2 大きな字を鉛筆でなぞる(徐々に小さく)

子どもが鉛筆でひらがなの「あ」をなぞっている。右は薄い字の「あ」と、始点・終点の印

大きな字を、鉛筆でなぞります。1画ずつ進めます。

ポイント

慣れてきたら、字を徐々に小さくしていきます。

ステップ3 白抜きの文字に、始点と終点の印をつけてなぞる

白抜きの「あ」に、始点と終点の印をつけたプリント

白抜きの枠からはみ出さないように、文字をなぞり書きします。

ポイント
  • 始点と終点に印をつけると、文字の始まりと終わりを意識できます。
  • 曲がり角などの通過点にも印をつけると、枠からはみ出さずに字の形を学べます。

ステップ4 枠をなくして、始点と終点だけで書く

始点と終点の印だけのマス、点線の「あ」、点をつなぐマス

白抜きの枠をなくし、始点と終点の印だけで文字を書きます。見本と見比べながら、間違えないようにゆっくり書きます。

ポイント
  • 曲線が難しい場合は、補助の点を増やしてつけてあげるとよいです。
  • それでも難しい場合は、点線をなぞることから始め、少しずつ点の間隔を広げます。

ステップ5 手本を見て書く

ぽこまる先生が手本を書き、子どもが見ている。右は手本の「あ」と、書くマス

手本を見ながら、1画ずつ書き進めます。

ぽこ先
間違えて直すよりも、間違えずに書き切れるほうが大切です。声のかけ方は、あとの「支え方」でご紹介します。

ステップ6 手本なしで、絵つきの言葉を書く

あひる・あり・あめの絵と、言葉を書くマス

手本なしで、絵のついた言葉を書きます。

できるようになったら
  • 文字を1字ずつ書くのではなく、言葉のまとまりで練習します。
  • イラストと合わせることで、言葉の意味を思い浮かべながら書けます。

おまけ 手先の不器用さが強いとき:構成法

手本を見ながら、文字を分割したパーツを置いて、文字を作ります。

おまけの工夫
  • 文字のシルエットだけでなく、どこに何があるかを細かく観察するため、鏡文字の練習にもなります。
  • 手先の巧緻性に課題があっても、取り組みやすい方法です。

ひらがなを書く練習の支え方(教具・援助・声かけ)

ぽこ先
ステップごとに、教具・援助・声かけを工夫して進めてみることにしました。

教具について

  • 濃い鉛筆、太い鉛筆、マジックなどを使います。
  • 筆圧が弱い場合は、マジックなどがおすすめです。
もっと書きやすくする道具もあります

三角鉛筆や握りを補助するグッズ、書いている感覚が分かりやすくなる下敷きなど、道具を変えるだけで、書きやすくなる場合があります。
「どんな道具が合うのか」「どうやって選ぶのか」は、鉛筆の持ち方を助ける補助具の記事でくわしくお伝えしています。

援助について

  • 一人で書けない場合は、手を添えてなぞり書きをします。
  • 1画ずつ、手を添えて書きます。
  • 最初のうちは、はみ出すことがありました。はみ出さないように、止めてあげるとよいです。
  • 対面で、どこを見ているかを確認しながら援助します。
  • しっかり文字を追えているか、「みるよ」「みれていたね」などと声をかけて、見る意識をつけます。
  • 援助の手で、お手本が隠れないように気をつけます。

声かけについて

  • 始める前に、これから行うことの見通しをもてるようにします。
  • 「一緒になぞるよ」と声をかけます。まっすぐの線には「しゅー」、「す」のように丸まった形には「くるりん」。
  • 「ここから」「まっすぐ」と、始まりと進む方向を伝えます。
  • 始点や終点を意識できるように、「ここまで」「ストップ」と声をかけました。
  • 【ステップ5】最初は手本を示しながら、1画ずつ進めます。間違えて直すよりも、間違えずに書き切れるほうがよいので、ゆっくり声をかけながら進めます。
  • 【ステップ6】隣で声をかけながら書きます。迷ったときは、「横に線だったね」「くるっと回るね」などと、ヒントの声かけをします。
ぽこ先
声かけは、「教える」よりも「一緒にやる」気持ちで。子どもが安心して進められます。

字を書くときの声かけや、手の支え方の考え方は、こちらの記事でも紹介しています。

書字が苦手な子への支援方法を読む

タブレットで学習することの良さ

ぽこ先
鉛筆で書くのが難しいときは、タブレットも使ってみることにしました。

タブレットで学習する良さもあります。

  • 筆圧が関係ないので、マジックと同じように、使いやすい場合があります。
  • 文字の太さや色も、変えることができます。
  • 間違えた部分を、すぐに消して書き直すことができます。
  • iPadは、画面の色を変えたり、白黒を反転させたりできます。子どもによっては、反転したほうが見やすい子もいます。一人ひとりに合わせた見やすさにできます。

タブレット端末の活用は、こちらの記事で紹介しています。

タブレットで漢字を練習する方法を読む

まとめ:自分たちのペースで

ぽこ先
実際にこんなふうに進めてみて、少しずつ「書けた!」が増えていきました。
こども
じぶんで名前が書けるようになったよ

ひらがなが書けるようになるまでの道のりは、子どもによって違います。
大切なのは、一つ手前のステップに戻ってもよいということです。

また、「あ」から順番に学ばなくても大丈夫です。

  • 「し」「つ」など、画数の少ない字から始めてもよいです。
  • 自分の名前など、よく見聞きする身近な言葉から始めてもよいです。
この記事のまとめ
  • 6つのステップに分けて、少しずつ進める
  • 「あ」からでなくてもよい。画数の少ない字や、身近な言葉から始める
  • 手を添えたり、声をかけたりして、間違えずに書き切れる経験を重ねる
  • 鉛筆が難しければ、マジックやタブレットも使う

「書けた!」の経験が、次の「やってみよう」につながります。自分たちのペースで、進んでいきましょう。

ぽこ先
「できた!」を、ひとつずつ。ぴくっとラボは、その歩みを応援します。

ひらがなプリントはこちら

漢字の覚えにくさについては、こちらの記事もどうぞ。

漢字が覚えられない子の工夫

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