漢字が覚えられない子の原因は?家庭でできる「見て分かる」工夫

漢字が覚えられない子への工夫

「何回も書いているのに、漢字が覚えられない」
「宿題の漢字に、とても時間がかかる」

宿題の漢字に向かう子の姿を見て、どう手助けすればよいか迷うことはありませんか。
特別支援学校の教員として、たくさんの子どもたちと漢字の学習に取り組んできた中で見えてきた、「覚えにくさ」の様子と、家庭でできる工夫をお伝えします。

まま
「うちの子、やる気がないわけじゃないのに、なかなか覚えられなくて……」
ぽこ先
「やる気がない」のではなく、「覚え方が合っていない」だけかもしれません。一緒に見ていきましょう。
目次

漢字が覚えにくい子の、5つのつまずき

ぽこ先
子どもによって、つまずくところは違うんだよ。

漢字が覚えにくい子には、次のようなつまずきがよく見られます。

1. 線の数が増えたり、減ったりする

「田」の中の線が1本足りない、「持」の右側の線が多い、といった間違いです。
「空間認知」「視覚」「不器用さ」など、さまざまな原因が考えられます。子どもの他の情報と合わせて、支援を考えていくことが大切です。

2. 字のバランスが取れない

「へん」と「つくり」の大きさが大きくずれたり、部首の位置が離れすぎたりします。
見え方や、鉛筆を動かす力が関係していることもあります。

3. 書けるけれど読めない、読めるけれど書けない

漢字は書けても読むことができない子や、読むことはできても書けない子がいます。
読む力と書く力は、別々に育っていくことがあります。

4. 文脈からイメージがわかない

文章の中から言葉の意味を思い浮かべることが難しかったり、知っている言葉が少なかったりします。
意味が分からない言葉は、漢字を覚えるための手がかりが少なくなってしまうことがあります。

5. 同じ音や、意味の似ている漢字を間違える

同じ読み方の別の漢字を書いてしまう(同じ音の間違い)、「冬」と「雪」のように意味が似ている漢字を取りちがえる、といった間違いです。
同じ音の間違いは、意味が結びついていないときに起こりやすくなります。

つまずきの背景は、順番に考えてみましょう

つまずきの原因は、1つとは限りません。次の順番で、子どもの様子を見てみてください。

つまずきの背景を見る順番
困った顔の子ども
  1. 姿勢:座る姿勢を保てているか(いすや机の高さ、足がついているか)
  2. 手先:鉛筆の持ち方や、力の入れ方
  3. 目:見え方や、見たものを目で追う動き
  4. 認知:形や位置のとらえ方、言葉の意味の理解

姿勢を保つことや、手先を動かすことに力を使っていると、漢字を覚えることに力が回らなくなることがあります。

手先のサポートをする支援グッズは、別の記事で詳しくご紹介しています。

鉛筆の持ち方を助ける補助具の記事を読む

家庭でできる工夫

ぽこ先
全部やらなくて大丈夫。合いそうなものから、試してみてね。

声やリズムを使って覚える

線の数が増えたり減ったりする子には、「しゅしゅしゅ」「1、2、3」のように、声やリズムを合わせて書く方法があります。
書きながら声に出すことで、線の数が耳からも入ってきます。

マス目と「なぞる」から始める

字のバランスが取れない子には、次の順で取り組むことをおすすめします。

この順で取り組みます
分かった顔の子ども
  1. マス目のノートやプリントを使う
  2. なぞり書きから始める
  3. 大きな字を、鉛筆ではなく指でなぞることから始める

いきなり鉛筆で書くよりも、指で大きく形をたどることで、字の形が体に入りやすくなる場合があります。

「読めたらOK」から始める

  • 読めるけれど書けない子:まずは読めたら、それで十分です
  • 書けるけれど読めない子:熟語や単語、生活の中の言葉と一緒に、意味もセットで覚えましょう

意味とセットで練習する(同じ音の間違いに)

同じ音の漢字は、意味が分かるように練習すると、間違いが減ることがあります。
絵のイメージが、意味の手がかりになることがあります。

読みを唱えながら書く・文の中で練習する(意味が似ている間違いに)

読みを声に出しながら書いたり、熟語や文の中で使ったりして、練習しましょう。
「冬」と「雪」も、「冬の朝に雪が降る」のように文の中で使うと、区別がつきやすくなることがあります。

意味で「なかま集め」をする

意味で覚えることが得意な子には、漢字を意味のなかまでまとめて学ぶ方法もあります。
たとえば「山・川・木・草」のように、自然に関する漢字を集めて覚えます。

実物や、好きなことと結びつける

意味のイメージがわきにくい子には、実物を見せることも、ひとつの方法です。
そして、アニメやゲームなど、子どもが好きなことと結びつけると、イメージしやすくなることがあります。

好きなゲームの中で、木や鉄、岩石の名前など、難しい漢字まで覚えた子もいました。
「好き」の力は、大きいと感じています。

字を書くときの声かけや、手を添えるときのコツは、こちらの記事で紹介しています。

書字が苦手な子への支援方法を読む

やらないほうがよいこと

1日にたくさんの字を練習する

毎日少しずつ、が基本です。
たくさん練習すると、疲れてしまい、「また嫌なことをやった」という気持ちだけが残ってしまいます。

とめ・はね・はらいまで細かく指導する

最初から細かく直されると、「どうせまた間違える」と感じてしまいます。
まずは形が大まかに合っていれば、それで十分です。少し間違っていても、「できた!」「わかった!」と思えることを大切にしてください。

ぽこ先
学校で「みんなについていけない」という気持ちを抱えている子もいます。家庭や宿題では、「できる!わかる!楽しい!」を少しでも感じられることが、学習を続ける力になります。

ぴくっとラボの漢字プリントでできること

ぴくっとラボの漢字プリントは、次のような工夫をしています。

  • 文字が大きく表示されています:指でなぞる練習から始められます
  • 書き順や、とめ・はねのポイントを細かく書いていません:余計な視覚情報がないので、文字の形をつかみやすくなります
  • すべての言葉と文に絵が付いています:言葉の意味をイメージしやすいようにしています。同じ音の漢字も、意味とセットで覚えられるようにしています
  • マス目に1字ずつ書けます:字のバランスを取る練習ができます
  • 意味でなかま分けしています:「数」「曜日」「自然」「体」など、意味のつながりで漢字をまとめて学べます

1年生の漢字(80字)を、無料で印刷できます。

1年生の漢字プリントを見る

まとめ:自分たちのペースで

漢字が苦手、書くことが苦手だからといって、やる気がないわけではありません。
本人は、「できるようになりたい」と思っています。時間がかかっても、できることは少しずつ増えていきます。

まず、ここから
にっこり笑顔の子ども
  • まずは、読むことだけ
  • まずは、漢字が分かること

そこから始めて大丈夫です。
書くことが難しくても、漢字が分かれば、タブレットやパソコンで文字を入力することができます。「読める」「分かる」ことも、大切な漢字の力です。

自分たちのペースで、進んでいきましょう。

ぽこ先
「できた!」を、ひとつずつ。ぴくっとラボは、その歩みを応援します。

1年生の漢字プリントを見る

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