まま字がうまく書けない
どの補助具がいいのか分からない
鉛筆の持ち方は、子どもによって一人ひとり違います。
特別支援学校の教員として、鉛筆の持ち方や書きやすさに悩む子どもたちとたくさん関わってきました。この記事では実際に学校で使った補助具を5つ紹介します。100均でできる代用も正直にお伝えします。


- 鉛筆の持ち方の段階と道具の選び方
- 特別支援学校で実際に使った補助具5選
- 100均でできる代用と、できないこと



5つの補助具を比べる早見表
学校で使った5つを、向いている子・気をつける点・価格で並べました。くわしい感想は、このあとの「補助具の紹介」で書いています。
| 補助具 | 向いている子 | 気をつける点 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| ① ステッドラー ジャンボ三角軸シャープ | 筆圧の調整が難しい子 | 1.3mm専用の太い芯が必要 | 約1,100円 |
| ② Shuttle Art ジャンボ鉛筆 | 筆圧や手先の力の調整が難しい子 | 削るときは専用の削り機が必要(付属) | 約1,300〜2,000円(36本セットの例) |
| ③ ゴムQ Qホルダー | 指先で持つのが難しい子 | 慣れるまでは大人が持ち方を整える | 約2,600円(2個入りの例) |
| ④ スポンジハンドル S-28 | 握る力が弱い子・手や指を動かしにくい子 | 持ち方を整える道具ではない | 約1,000〜1,100円 |
| ⑤ 魔法のザラザラ下じき | 丁寧に書きたい子・集中が切れやすい子 | すばやく書く・なめらかな線は難しい(使い分ける) | 約600〜900円(A4の例) |
※価格は2026年11月に楽天市場で見た目安です(税込・送料別)。販売店や時期によって変わります。
どれから試すか迷ったときは、このあとの「困りごと別」で選び方を紹介しています。
字を書く力は「見る・分かる」と「手先を動かす」の2つ
字を書くには、見て分かる力(認知)だけでなく、手先を上手に動かす力も関係しています。この手先の動きを助けるのが補助具です。
字の書きにくさの原因は一人ひとり違います。原因を知るには専門家による確認(アセスメント)が必要です。この記事は原因を決めるものではなく、学校で実際に使った道具の紹介です。参考になれば嬉しいです!
「見る・分かる」ところのつまずきについては、こちらの記事も参考にしてください。
鉛筆の持ち方には、段階があります


手先の育ちに合わせて、いくつかの段階があります。
- グーで握る(親指を下にした形と、小指を下にした形があります)
- 親指・人差し指・中指が伸びてしまう
- 親指の根元で握る など
子どもの苦手なところによって、合う道具も違います。私はその子の持ち方の段階を見てから、道具を考えていました。
それでも一度で合うものが見つかるとは限りません。私もうまくいかないことがありました。いろいろ試しながら、その子に合うものを探していました。
ひらがなを書く練習の進め方は、こちらの記事で紹介しています。
困りごと別・どの補助具から試す?
- グーで握る → ④スポンジハンドル
- 指が伸びてしまう → ③Qホルダー・④スポンジハンドル
- 親指の根元で握る → ③Qホルダー
- 筆圧の調整が難しい → ①ステッドラー・②ジャンボ鉛筆
- 丁寧に文字を書きたい・集中が切れやすい → ⑤ザラザラ下じき



補助具の紹介 5選
ここでは、①から④へ、手の支えが少ない道具から多い道具の順に紹介します。⑤は、書くときの感覚を助ける道具です。


① ステッドラー ジャンボ三角軸シャープ(1.3mm)



こんな子に
筆圧の調整が難しい子。持ち方が定まらない子。
機能
- 芯が1.3mmと太く、スプリングが入っています。
- シャープペンシルなのに太い字が書けます。
- 軸が三角です。
使ってみた感想
力加減の調整が難しい子でも、うまく使えました。
使ってみた生徒に「えんぴつとどっちがいい?」と聞くと、「こっちが使いやすい!持って帰っていい?」と答えてくれました。
芯が太いから、書いた字は自分でも読みやすいです。
鉛筆だと削る必要があり、シャープペンシルだとポキポキ折れてしまいます。この商品は、芯が太くスプリングが入っているから、本当に折れにくいです。通常の鉛筆に比べて太く持ちやすいうえに、軸が三角だから、自然と持ち方が整いやすいです。
気をつける点
1.3mm専用の太い芯を別に買う必要があります。
商品ページの説明によると、軸の太さは直径16mmで滑り止めがついています。
出典:商品ページ(販売店)
② Shuttle Art ジャンボ鉛筆(三角軸)



こんな子に
筆圧の調整が難しい子。手先の力の調整が難しい子。
機能
- 芯は4mmで①よりさらに太いです。
- 太い三角軸です。
- 消しゴムがついています。
使ってみた感想
①のシャープペンに似ていますが、違いが2点あります。
- 芯がさらに太いから、弱い力でも書きやすく、強い力でも折れにくいです。
- シャープペンと違い、1本なくしたり壊したりしても気にしなくてよいです。
学校でも何本か用意していました。
気をつける点
削るときに専用の削り機が必要です。この商品には削り機も付いています。
出典:商品ページ(販売店)
③ ゴムQ Qホルダー(持ち方補助)



こんな子に
指先で持つのが難しい子。指先で握るまでの段階にいる子。
機能
- ふつうの鉛筆や色鉛筆にもさして使えます。
- 手のひらにすき間(空間)ができます。
- 持ち手がついています。
使ってみた感想
学校では、指が伸びてしまう子から親指の根元で握る子まで使いました。鉛筆の周りだけを囲うタイプの補助具に比べて、持ち手があるから、手のひらの力も使って支えられます。そのため、力を入れて握りやすいです。
気をつける点
慣れるまでは、持つときに大人が手伝って持ち方を整えてあげる必要があります。
④ 斉藤工業 スポンジハンドル S-28



こんな子に
握る力が弱い子。手や指を動かしにくい子。持ち方の段階では「グーで握る」子、「指が伸びてしまう」子に使いました。
機能
- 太くてやわらかい素材です。
- 取り外しができて洗うこともできます。
使ってみた感想
学校に来る作業療法士(手や体の使い方の専門家)の先生から教えてもらいました。太くてやわらかいから、握る力が弱い子や、細い鉛筆をうまく握れない子でも握りやすいです。鉛筆だけでなく、スプーンやフォークなど食事の場面でもよく使っています。
気をつける点
鉛筆をきれいな持ち方に整える道具ではありません。太くして握りやすくするための道具です。
出典:斉藤工業
⑤ レイメイ藤井 魔法のザラザラ下じき(0.6mm)



こんな子に
丁寧に文字を書きたい子。集中が切れやすい子。
機能
- ザラザラの面とツルツルの面があります。
- ザラザラの面で書くと、どのくらいの力で書いているかが手で分かりやすくなります。
- 鉛筆を動かす速さや、頭に思い浮かべた形と手の動きを意識しやすくなります。
- 紙がすべりすぎないので書きやすくなります。
使ってみた感想
手に伝わる感じが楽しくて、書くことの負担感が減りました。感覚を感じながら書けるので、ゆっくり書く助けになると考えています。ツルツルの面はふつうの下じきとして使いました。字を書いたり、線を書くことを楽しんでいる姿が見られました。
気をつける点
ザラザラの面では、すばやく書いたりなめらかな線を書いたりするのが難しいことがあります。そのため、使い分ける必要があります。
出典:レイメイ藤井公式サイト
100均でも代用できる?
100均の道具でも試せるものがあります。ただし、本物の補助具と比べるとできないことも出てきます。正直にお伝えします。
カッターマット(ザラザラ下じきの代わり)
下じきの代わりにカッターマットも使えます。手に伝わる感じはありますが、文字を書くための道具ではないので線がくずれることがありました。
ホース(スポンジハンドルの代わり)
できること
- 100均で簡単に用意できます。
- 持ち手が太くやわらかくなるので、握る負担が軽くなります。
- 中に布を入れて、太さを調整できます。
難しいこと
鉛筆にさすための道具ではないので、ずれたりはずれたりすることがあります。
使い方
- 太さ7〜8mmのホースを選びます。
- 3〜5cmほどの長さに切ります。
- 鉛筆にさし込みます。
大きいホースを使うとより太くなりますが、ずれやすくなります。鉛筆との間にできるすき間は布を入れてうめます。
- 切り口がささくれたり鋭くなったりしていないか、使う前に確かめます。
- ホースを口に入れないように見守ります。
選ぶときの3つのポイント





- 持ち方の段階を見る:グーで握るのか、指が伸びてしまうのかなど。
- ひとつずつ試す:一度にいくつも変えずに子どもの様子を見ます。
- いやがったら無理しない:道具が合わないこともあります。
道具のほかに、声かけや手の添え方など、学校で大切にしている支援は、こちらの記事で紹介しています。
まとめ:合う道具はひとりずつ違う



- 鉛筆の持ち方には段階がある
- 持ち方の段階と困りごとから道具を選ぶ
- 5つの補助具は、向いている子が違う(早見表で確認)
- 100均でも試せるが、本物と比べてできないことがある
- 一度で合わなくても、いろいろ試す


「書けた!」の経験が次の「やってみよう」につながります。自分たちのペースで進んでいきましょう。
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ひらがなの練習の進め方は、こちらの記事もどうぞ。






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