こんにちは。ぴくっとラボを運営している、特別支援学校の教員のぽこまるです。
ぴくっとラボでは、すべての言葉に絵を付けた漢字プリントを、無料で公開しています。
この記事では、私がなぜこのプリントを作り、サイトで公開することにしたのかをお話しします。
ぽこ先きっかけは、保護者の方とのやりとりでした
学校の授業では、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力」の3つを身につけることを目標にしています。
日常生活で使う漢字の読み書きや計算は、その中の一部です。
どれも大切な力ですが、漢字や計算、文字を書くことなどの「知識・技能」は、くり返しの練習が欠かせません。
ところが、授業の時間だけでは、くり返し練習する時間を十分に取ることが難しいのが現実です。
そこで、宿題で練習に取り組むことにしました。
まずは小学1年生の漢字から。市販のドリルや、インターネットで公開されているプリントの中から、使えるものを保護者の方と一緒に探しました。
そんな中、保護者の方からこんな声をいただきました。



教材を探して見えてきた、2つの課題
保護者の方と教材を探すうちに、2つの課題が見えてきました。
課題1:文字だけでは、言葉の意味が分かりにくい
多くのプリントは、文字だけで作られています。
文字を読むことはできても、その言葉が何を指しているのかが分からなければ、漢字は「意味のない形」になってしまいます。
課題2:絵があっても、生活の中で使わない言葉が多い
絵の付いたプリントも、中には見つかりました。
ところが、子どもが普段の生活で使わない言葉が多く使われていました。
たとえば、「千」を「ち」と読ませるための「千代紙(ちよがみ)」。
大人にとってはなじみのある言葉でも、子どもにとっては、見たことも使ったこともない言葉です。
知らない言葉では、絵があってもイメージがわきません。
見つからないなら、自分で作ろう
探しても見つからないなら、自分で作ろう。
これが、プリントを作り始めたきっかけです。
言葉を選ぶときは、教科書や学習指導要領、特別支援学校用の教科書(通称「☆本」)を参考にしました。
そして、必要のない言葉を、無理に問題にしないことを大切にしました。
情報をすべて盛り込むのではなく、必要な情報にしぼる。
問題作りに迷ったときは、学習指導要領や教科書に立ち戻ります(もちろん、私なりの解釈も入っています)。



プリントを使った子どもの変化
絵入りのプリントを作って渡したところ、家で保護者の方と一緒に絵を確かめながら取り組んでくれました。
絵が、言葉の意味をイメージする助けになったのです。
うれしい変化もありました。
- 自分でプリントを選んで、家に持って帰るようになりました
- 「今日はこれをする」と、選んだプリントを見せてくれるようになりました
- 「これはどういう意味?」と聞くと、自分のイメージで答えを返してくれるようになりました
言葉の意味が分かると、子どもは自分から学ぶようになる。
そのことを、子どもたちの姿から教えてもらいました。
「使いたい」という、ほかの先生の声
このプリントは、もともと1人の子どもを思い浮かべて作ったものです。
ところが、ほかの先生からも「使いたい」という声をいただきました。
私が悩んでいたことは、多くの先生、保護者、子どもたちにとって共通の悩みだったのです。
最初のつまずきを越えれば、理解が進む子がいる
特別支援学校に限らず、学びにくさを感じている子どもはたくさんいます。
そして、最初のつまずきを越えれば、ぐんと理解が進む子どももいます。
たとえば算数の筆算。見え方や鉛筆の動かし方の関係で、位(くらい)をそろえて書くことが難しい子がいます。
でも、位さえそろえば、計算の考え方は分かるのです。
最初は位をそろえるための補助のプリントがあっても、だんだんと外されていきます。
すると、新しい考え方を身につけようとするときに、「位をそろえる」という別の負担が加わってしまいます。
つまずいているのは、考え方ではなく、その手前の部分。
そこを支えれば、子どもは本来の学びに力を使うことができます。
特別支援教育で大切にしてきたこうした支援は、学びにくさのある子どもだけでなく、すべての子どもにとって分かりやすい支援(ユニバーサルな支援)だと、私は考えています。
「ぴくっとラボ」という名前に込めた思い
「ぴくっと」には、2つの思いを込めました。
- ピクトグラム:絵で伝える「視覚支援」のこと
- ひらめき:豆電球がぱっと灯って、「分かった!」とひらめく瞬間
ロゴの電球マークは、この「ひらめき」を表しています。
そして「ラボ(研究室)」には、私が普段考えている教材や支援の工夫を開発し、共有できる場所にしたい、という思いを込めています。
まとめ:子ども・先生・保護者に寄り添うサイトに
「もっとこんな教材があればいいのに」。
そんな思いを持つ先生や保護者の方の助けに、少しでもなれたら。そう思って、サイトで公開することにしました。
- 文字だけでは言葉の意味が分かりにくい → すべての言葉に絵を付けました
- 生活で使わない言葉が多い → 教科書や☆本を参考に、必要な言葉にしぼりました
- 最初のつまずきを越えれば理解が進む子がいる → すべての子どもに分かりやすい支援を目指しています
子どもと先生と保護者に寄り添う、そんなサイトを作っていきます。
みなさんの声をお待ちしています
- 「こんなプリントがあったらいいな」
- 「こんな教材があったら助かる」
- 「この教材が、うちの子(クラスの子)には効果的だった」
そんな声を、ぜひお寄せください。いただいた声は、これからのプリント作りの参考にさせていただきます。





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